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あっちこっちシアターインフォ(八戸情報誌 amuse 2018年12月号)

文:安達良春(第七回はちのへ演劇祭舞台監督)

ただいま準備中! 乞うご期待 第七回はちのへ演劇祭

誌面表示  「芝居やるべし!」
 演劇のまちと言われた八戸の演劇に再び活気をもたらそうと始まったはちのへ演劇祭も7回目となりました。はちのへ演劇祭を契機に生まれた若い劇団も活動を続けています。参加していただいた方、足を運んでいただいた方の意見を参考にしながら、毎回どんな作品を上演するのか、どう作っていくのか、実行委員は頭を悩ませていますが、そんな中で今回上演作品として白羽の矢が立ったのが、今から20年以上前にイージーシアター我楽多屋が上演した「水底の柩」です。
 イージーシアター我楽多屋。ご存知の方はどのくらいいるのでしょうか? 現在演劇に携わっている方でも知らない方のほうが多いかもしれません。我楽多屋は20代前半の若い人たちで旗揚げされた劇団です。大学生や高校生も参加し、精力的にオリジナル作品を上演し続ける劇団は当時なかなかありませんでした。公演を重ねるごとに観客も劇団員も増え、楽しみにしていた方も多かったと思いますが、何せ20年以上前。今では名前を聞く機会もほとんどありません。知名度は無いに等しいが大丈夫か…? そんな不安もありましたが、当時スタッフで参加していた台本を読み返してみると、さすがに忘れていた事も多いが、読むほどに思い出してくる。もちろん懐かしさもあるが、それだけではない。面白い。夢も笑いも涙も辛さも詰まっている。こんな作品を20代の若者たちが作っていた事に正直驚いた。これまで地元で多くの演劇を観てきたつもりだが、作品の持つ雰囲気やタッチは、他に記憶がない。こんな作品が上演されていた事を今の若者たちにも感じて欲しい。そんな思いが強くなる中、劇団扉座の鈴木利典さん(八戸出身)と、俳優・ダンサーの仲坪由紀子さん(南部町出身)の参加も決まり、一気に動き出しました。
 鈴木利典さんは八戸高校演劇部に在籍。卒業後、扉座研究所を経て扉座入団。以来、主な扉座公演に出演する他、多くの外部舞台に出演するなど活躍中で、何よりも「水底の柩」に出演していました。当時の「水底の柩」を知る鈴木利典さんの演出で再演する。当時のイージーシアター我楽多屋を知っている方には感慨深く、知らない方には新しい作品として楽しんでもらえると信じています。
 今回はキャスト・スタッフとも公募し、未経験者も含めた若い参加者を中心に作っていきます。「舞台は生物」(※すみません、ナマモノ、とルビをお願いしたいです。)と良く言われますが、どんな「水底の柩」が出来ていくのか、私自身楽しみでなりません。第七回はちのへ演劇祭、来年3月に開催です。是非足をお運びください。公募・オーディションは終わりましたが、まだ参加できるチャンスはあります。公募を見逃していた方も気軽にお問い合わせください。
問/8engekisai(at)gmail.com (at)は@に変換


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