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あっちこっちシアターインフォ(八戸情報誌 amuse 2014年5月号)

文:安達良春

「中と外」〜第二回はちのへ演劇祭を観て〜

誌面表示  「演劇のまち八戸」の復活を目指して昨年開催された「第一回はちのへ演劇祭」。縁あって自分も参加でき、たくさんの方に足を運んでいただきました。これを機に新しい劇団も生まれ、若い参加者が実行委員の中心となり、第二回となる今年。今回は縁がなく?市内外の6つの劇団の公演を観客として楽しんできました。
■『Smile for you!』まぐねっと.com
作りたかった世界は日常の1コマなのか。それとも違う何かか…? 初脚本・演出との事もあり、まだまだ悩まなくてはならない点は多いと感じました。初脚本・演出の作品を演劇祭としてサポートする体制はあったのかが気になります。
■『心の花が咲く頃に』青森大学演劇団「健康」
大学生が作った等身大の世界。残念ながら歳を取りすぎてしまった自分には、温かい目で見る事しかできませんでした。舞台転換が多く、観る側の気持ちが途切れがちになるので、物語・場面の整理をすればかなり印象が変わると思います。
■『藪蛇』吉田美香
作・演出・出演の一人芝居で、妙な迫力を感じました。上手く言えませんが本当に「妙な」吸引力。座った場所が悪く、役者が見えないシーンも多かったのが、残念を通り越して苛立ちを感じました。
■『アラウンダワールド』劇団コトナコナタ
不思議で荒唐無稽な世界。しかし、役者の安定感で心地よく観られました。スタッフに他の劇団の方も参加しており、交流のコツ等伺ってみたいと感じました。
■『光とゆらぎ』劇団INTELVISTA
精力的に公演を行っている劇団で、安定感抜群。世界感が大きかったせいか、テーマと思しきものが多かったせいか、ストレートに伝わってこない感じがしたのが残念です。「光とゆらぎ」というタイトルが、演出としてもっと取り込まれても面白いのではないかと感じました。
■『居酒屋』アクトプロジェクトToyBox
居酒屋を舞台にした3つの作品のオムニバス形式。雰囲気の違う作品が並び、面白い作りだと思いますが、もっともっとこの形を利用して面白く出来る様に感じました。脚本段階から練習も含めて3つの作品で、どの位連携があったのかが気になりました。

 中に居るから見える事。中に居るからこそ見えない事。第一回目に参加した自分を、あの時突き動かしていたものは何だったのだろうか。あの時確かに感じた「熱」。それを今回感じる事が出来なかったのは、自分が外に居たからだろうか?それともそもそも「熱」など無かったのか? 第一回目に足を運んでいただいた皆様に、自分が感じた「熱」は伝わっていたのだろうか…?


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